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2024/02/06

20th Blogging Anniversary





2004年2月6日に開始した幸せの黄色いホーンは20周年を迎えることになった。
沢山の方々に見て頂き大変感謝している。
これからもどうぞよろしく。

1996年の春に黄色いホーンシステムの前身となるJBL2155Hのシステムが完成し、それに黄色いホーンであるJBL2360A+2446Hを加えたのが2003年の夏の終わり。
その音があまりに鮮烈だったので完全に舞い上がり、ホームページを作ろうと思い立ったわけである。
その後、黄色いホーンシステムは発展し2008年4月に今の形になり、改造ALTECシステムは2008年11月末に完成する。
2010年の夏、DIYホーンシステムのプロジェクトが始動、そして2019年5月に完成した。

黄色いホーンシステムと改造ALTECシステムは16年、DIYホーンシステムはまだ5年ほどの付き合いなので、20年という長い時間が経過したことには今一つ実感が湧かない。
でもまあ、思い返してみると大変幸せな時間だったように思う。
これはインターネットのおかげだと思う。

小さいころからスピーカーユニットが好きだったわけだが、それは極めて個人的な世界だった。
しかし、ホームページを製作してインターネットに参加したことにより、その小さな世界はおおやけになってしまった。
そして、ただ単におおやけになってしまっただけではなく、多くの方がそれを見てくれた。
そうすると、なんだかうれしくなってスピーカー趣味に力が入ってしまったのである。

インターネットは、スピーカーに関して無限の情報をもたらしてくれた。
さらに円高というチャンスと重なり、インターネットを介して海外から珍しいスピーカーユニットを安価に入手することができるようになった。
こうしてスピーカーの世界がどんどん広がっていった。

50年以上もスピーカーユニットが好きというのはどうかしてると思うが、こんな具合に末広がりになるとは夢にも思わなかった。
まあ、好きなことを正直にやってゆくというのはとてもいいことかもしれない。
今後ものんびりふんわりブログを続けてゆこうと思う。





2023/07/25

Loudspeaker Systems Design



スピーカーシステムの設計には、決まったやり方などない。
黄色いホーンの場合は、4インチボイスコイルにこだわっていたような気がする。

2402H05    1.75inch
DE500       2inch
2451H       4inch
2446H       4inch
2490H       4inch
1008-8HE   4inch
1808-8HPS  4inch
PD.2450      6inch

1008-8HEはダブルだから、4インチボイスコイルだらけだ。
2451Hは、のちに3インチボイスコイルの2431Hに交代した。
やっぱり、帯域によって適切なボイスコイル径というのはあるのかもしれない。




一方、DIYホーンシステムの場合は、こんなかんじ。
こっちは、1508-8ALCPがダブルだ。

2407H       1.5inch
2431H       3inch
2451H       4inch
1008-8HE   4inch
1508-8ALCP   4inch
1808-8HPS  4inch

市販のスピーカーシステムで4インチボイスコイルだらけというのは、なかなか無いというか、4350ぐらいか。
口径ではなくボイスコイル径にこだわる、これは一つのやり方かもしれない。




2023/04/12

ChatGPT



質問してみた。

"業務用のスピーカーユニットを使用して家庭用のスピーカーシステムを制作するメリットとデメリットを教えて下さい。"




お答えは以下のとおり。

"業務用のスピーカーユニットを使用して家庭用のスピーカーシステムを制作するメリットとデメリットは以下の通りです。

メリット:

1.高い品質と耐久性:業務用のスピーカーユニットは、耐久性が高く、高音質であることが特徴です。このため、家庭用スピーカーシステムでも、高品質で長期間使用することができます。
2.高い出力:業務用のスピーカーユニットは、大音量の再生に耐えることができるため、家庭用スピーカーシステムでも、大音量で音楽を楽しむことができます。
3.値段:業務用のスピーカーユニットは、高品質であるにも関わらず、家庭用スピーカーシステム用のスピーカーユニットよりも価格が安いことがあります。

デメリット:

1.大きさ:業務用のスピーカーユニットは、一般的に大きく、重たいです。これは、大音量再生や耐久性を確保するために必要な設計ですが、家庭用スピーカーシステムの設計には適さないことがあります。
2.音質:業務用のスピーカーユニットは、一般的にスタジオモニターやPAシステムなど、プロ用途に設計されています。これらは、音質の偏りや特定の音楽ジャンルに適応するよう設計されていることがあります。そのため、家庭用スピーカーシステムに使用する場合、適合しない場合があります。
3.難易度:業務用のスピーカーユニットを使用した家庭用スピーカーシステムは、組み立てや調整などが必要になる場合があり、一般的な家庭用スピーカーシステムよりも難易度が高いことがあります。

以上のように、業務用のスピーカーユニットを使用する場合は、メリットとデメリットを十分に考慮した上で、適切な設計を行う必要があります。"




おりこうさんである。
そして、とてもよく勉強していることが分かる。
でも、採点すると0点である、残念ながら。
とんでもない巨大なクソシステム「!」が狭い狭い部屋の中に押し込められていてそこでそのクソシステム「!」と共に生活しているキチガイの喜びや興奮が全く理解できていない。
無表情で退屈な部屋と感動と無縁の退屈な人生を吹き飛ばすクソシステム「!」。
そこんとこ、ちゃんと押さえておかないと。




2022/12/13

JBL Professional 2446H



黄色いホーンシステムの左CHの2446Hからノイズが出るようになった。
アンプやチャンデバ等を疑ったのだが、どうもよく分からない。
ヨハネスさんに相談すると、磁気ギャップのゴミでしょ、とのこと。
なるほど。




これまでに磁気ギャップの金属ゴミの掃除は、291-16K(左CH)、2490H(右CH)の2回行った。
しかし、いずれの場合でもゴミの存在を確かめずに掃除してしまった。
今回は、LEDライトを使い丹念に探し、2つのゴミを見つけた。
画像の光っているのがその一つで、もう一つは磁気ギャップの奥の方にある。
これらを粘着テープで取り除き作業完了。
ノイズは解消された。

2446Hの裏蓋のスポンジは全く劣化していなかった。
このドライバーは2003年に新品で購入した。
ほぼ20年経過していることになる。

長い付合いである。
しかし、JBLの4インチダイヤフラムのコンプレッションドライバーにあこがれていた時間は、その付合った時間よりも未だ長い。





2022/06/15

Speakers with Behringer DEQ2496



スピーカーのキャリブレーションは手動で行うより自動(AUTO EQ)で行う方が断然良い結果を得ることができると思っている。
理由は分からないが、これは長年の経験から確実である。
ただし、これには2つの条件がつく。

まず、最低域や最高域の極端な修正結果(例えば20Hzで+10dB、20kHzで+10dB)が出た場合には、スピーカーの再生能力の不足が原因の異常値であるため、0dBに修正する必要がある。
無用な電力をスピーカーユニットに送り込めば、当然、何らかの悪い影響が出るのは必定である。




次に、定在波の影響による測定結果の修正が必要である。
例えば100Hzとか200Hzとかの特定の周波数だけでポーンと+10dBや-10dBなどの突出した修正結果が出た場合には、定在波を疑うべきである。
定在波はその振幅の腹と節があり、それぞれ異常値が出る。

突出した異常値はグラフの連続性を乱さないように手動で修正する。
「自動」を「完璧」と誤解してこの修正を行わないと、オートキャリブレーションは無意味なものになる。
異常値の周波数帯域(極端にブーストされた帯域)が悪さをしてまともな音にならない。





2022/04/05

CLASSIC PRO PDM/R AC LINE REGULATOR MODULE (3)



黄色いホーンシステム用に3台目を購入した。
3691ポイントを使用して、32109円で購入できた。
今回も底板がやや曲がってゐた。
うれしいものである。





2台目の配属先は改造ALTECシステムである。
DIYホーンシステムのときほど効果はないが、やっぱりすっきりした音になった。
PDM/Rの取説にはこんなことが書いてある。

"RFI/EMI 
RFI(無線周波妨害)もしくは EMI(電磁波妨害)のノイズは、スパイクに比べると電圧は低く、エネルギーも少量ですが、一時的なものではなく継続して起こります。
この現象によって物理的なダメージを受ける可能性は少ないものの、音声信号に雑音が入る、映像がちらつく等の問題を起こします。
そしてこのノイズは、近くの無線送信機や特定の照明機器、モーターなどを介してAC電源に混入します。
ACラインの50Hz、もしくは60Hzより高い周波数で起こるため、ローパスフィルターを使用することで効果的に軽減する事ができます。"

このローパスフィルターが効いているのだろう。
また、安定化電源も効いているのではないかと思う。
これには確証はないが金をかけずに検証する方法もない。
黄色いホーンシステムにつなぐのが楽しみである。




2019/12/28

2019 Audio Hobbies



今年のオーディオは色々ありました。
5月にDIYホーンシステムが完成。
M2タイプの2つのホーン(2451H、2431H)の音は、2360AやMR94の高い鮮度はそのままに、さらにくっきりすっきりした新しい音でした。
2360AやMR94は45年も前のホーンですから、これは仕方ないと思います。

M2タイプのラージフォーマットホーンは、JBLの技術者の方々も聴いたことがないかもしれません。
おそらく世界に一つの最新鋭大型ホーン。


大きい画像1
大きい画像2


8月には黄色いホーンシステムの残留ノイズを除去しました。
これがグイグイイコライジングに発展し、ついにDEQ2496のオートGEQとPEQを使用することによりオリジナルのイコライジングカーブを作ることができました。
さらに、この設定はソースや音量に対応できる4種類のカーブバリエーションに発展しました。

オーディオとは趣味人が各自好みの虚構空間を創出し、その虚構空間の中で展開する音楽を楽しむ趣味ですが、この"好みの虚構空間を作る"というのがなかなか大変です。
虚構空間のどこかに気になるところがあると、そればかりに意識がいって、いつまでたっても音楽を堪能できません。

もし、虚構空間をうまく作ることができても、ソースや音量によって帯域バランスの修正が必要です。
大規模なマルチアンプシステムは非常にデリケートで機動性に欠けるため、そういう帯域バランスの即応的な修正は本質的に苦手です。
しかし、4種類のバリエーションカーブを適宜選択し帯域バランスの迅速な修正が可能となったため、虚構空間の可否についてあれこれ意識することがなくなりました。
オーディオを気にせず音楽に集中できるというか、透明な美音に満ちた虚構空間に体が溶け出してしまいそうです。
これは大規模マルチアンプシステムと付き合い始めてから現在に至るまでに生じた最大のパラダイムシフトというか、極めて画期的な出来事でした。


大きい画像3


10月には改造ALTECシステムにツィーターを加えました。
4ウェイになったこのシステムに上記のイコライジングカーブを設定し、大変満足できる仕上がりになりました。
今年一番改善されたシステムは、この改造ALTECシステムだったように思います。

上記のイコライジングカーブを黄色いホーンシステム、DIYホーンシステム、改造ALTECシステムに適用したところ、それぞれのシステムの個性がはっきりしたのも驚きでした。
新しい音とオリジナルデザインのDIYホーンシステム、壁、床、天井を吹き飛ばし巨大な虚構空間を創出する黄色いホーンシステム、ノスタルジーの衣を被った狼的な改造ALTECシステムと、なんだかとても楽しいです。


大きい画像4


昨年の今頃、とある海外のサイトで黄色いホーンシステムがトップになっていることに気付きました。
ホーンシステムに関する海外のスレッドなどにはよく登場する黄色いホーンシステムですが、これはうれしかった。
うむむ、これはもしかしたら黄色いホーンシステムは世界一、もとい学園都市230万人の頂点に立つレベル5ということだね、と愉快に解釈。
冗談はさておき、このシステムの何が彼らの興味を惹くのか訊いてみたいような気がします。

今年のオーディオ趣味はやりすぎの感なきにしもあらず。
来年はオーディオ休止、他のことで遊ぼう。





2019/10/04

Yellow Horn System



PDN.2450の導入も無事終わり、黄色いホーンシステムにもイコライジングを試してみることにしました。
イコライジングを行わないもともとのグイグイサウンドはDCX2496にメモリし温存しました。
DEQ2496によるイコライジングの作業手順は以下の通りです。

まず、DEQ2496にECM8000を接続。
UTILITYの1ページ目でCHANNELをDUAL MONOにします。
これで準備完了。

I/Oの1ページ目でPINK NOISEを大型ダイヤルで選択、大型ダイヤルを押し込んで確定。
同ページでNOISE GAINをとりあえず-15dBに上げる。
2ページ目でGEQとPEQ経由を大型ダイヤルで選択、押し込んで確定。
同ページでNOISE SHAPER(点灯を消す)とDITHERをOFF。
3ページ目でRTA/MICを大型ダイヤルで選択、押し込んで確定。

RTAを押して、アンプのボリュームでピンクノイズの音量調整。
2ページ目、RATEをAVRGに、また、PEAKをOFFに。
3ページ目を表示、上下一対の小ダイアルでスケール(15dB幅、30dB幅、60dB幅の3種類が選べますが、30dB幅が使いやすいです)とレベルを調整して、周波数特性を見ることができます。
この状態で、DCX2496のレベル調整でなるべくフラットな特性を作りました。

次にAUTO EQ。
RTAの1ページ目でAUTO EQを選択。
GEQが表示されたら低域側を指定するため、上小ダイアルで周波数を選択、大型ダイヤルで0dBにして押し込んで確定、これを繰り返す。
2ページ目でSTART AUTOEQを選択。
頃合いを見て、3ページ目でDONE。
次に、RTAの1ページ目でAUTO EQを選択。
今度はRIGHTを選択し、LEFTと同様にAUTO EQの作業を行い、左右別に全帯域をフラット化。
そして、MEMORYボタンを押して"FLAT"という名前でメモリします。

最後に、"FLAT"の状態でPEQボタンを押し、パラメトリックイコライザで好みの特性を設定します。
"FLAT"はグラフィックイコライザに任せ、パラメトリックイコライザでサウンドコントロールをする訳です。
グイグイの"ORIGINAL"、レベル2の"LV2"、レベル3の"LV3"、クリアの"CLEAR"の4種類をメモリしました。
なお、PEQの2ページ目で6素子以上をOFFからPARAMに変更しないと5素子までしか使えません。
それからPEQの周波数は上小ダイヤルを押し込むと細かい調整ができます。
なお、音を出すときにはI/Oの1ページ目で入力端子を選択します。

DEQ2496は安価な機材ですが、プロ機材なので何度も練習して習熟しましょう。
RTAでは、表示された周波数特性をスマホで撮影しておくと検討が楽です。
AUTO EQも日を変えて何度もやってみましょう。
もし、訳が分からなくなったときは、COMPAREとMEMORYボタンを同時に押しながら電源を入れれば初期化できるので安心です。

イコライザーはプロセッサー類の基本です。
その中で、AUTO EQを備えたデジタルイコライザーは、最も高度なサウンドコントロールを可能とします。
イコライザーは音質が劣化するというような過去のしょんぼり機材の常識は現代のデジタル機材には通用しません。
プロ機材であるDEQ2496を使いこなしてオーディオのスキルアップをしましょう。




セットアップが完了したので、とりあえず、イコライジングを行わないもともとのグイグイサウンドと、DEQ2496の"ORIGINAL"を聴き比べてみました。
う~む、違いがわからん。
将来、違いがわかる男になるかもしれんから、その時までほっとこ、ってことになりました。
フラットを除く4種類のイコライジングを適宜呼び出すことで音量や様々なソースに対応できるため、DEQ2496を組み込んだ構成で当分いくことにしました。

あいかわらず黄色いホーンシステムは絶好調です。
オーディオもここまで来れば、趣味として立派なものではなかろうかなどと思ってしまいます。
テストドライブのあと、とりあえずあれを聴いてみるかと選んだのが、Star Wars Episode 3 シスの復讐。
以前、なくしたと思ったことがあり、amazonで中古のCD(国内盤)を購入。
1円でした。

聴くのは1曲目の"Star Wars and The Revenge of the Sith"と、5曲目の"General Grievous"です。
2360バイラジアルホーンはTHXスタンダードの認定を最初に受けた栄えある大型ホーンなので、THXと深い関係があるスターウォーズの曲が黄色いホーンシステムのテーマミュージックになっているわけです。
これを大音量でやると痛快この上なしなのです。




この手の大規模(大型、じゃないよ)スピーカーシステムを愛する人々を、ひそかに"野獣派"と呼んでいます。
野獣派って絵画の方ではフォーヴィスムになるのですが、wikiによるとそのいわれは、"1905年、パリで開催された展覧会サロン・ドートンヌに出品された一群の作品の、原色を多用した強烈な色彩と、激しいタッチを見た批評家ルイ・ボークセル(仏: Louis Vauxcelles、英: Louis Vauxcelles)が「あたかも野獣(フォーヴ、fauves)の檻の中にいるようだ」と評したことから命名された。"そうです。

野獣の檻の中にいる"ようだ"じゃないですよね。
まさに、野獣がそこにいる。
右に一匹、左に一匹。
JBLの咆哮、素晴らしいです。





2019/10/03

Yellow Horn System



黄色いホーンシステムの右CHのPD.2450をPDN.2450に交換しました。
実は、この61cmウーファー、輸送中に落下させたようで大入力になるとボイスコイルタッチを起こしていました。
納品時、包装箱に大きなダメージがあったのですが、その時にきちんとテストしなかったのが運の尽き。
気づいたのは納品からだいぶ経ってからです。
それからダマしダマし使い続けて11年も経ってしまいました。




今回購入したPRECISION DEVICES PDN.2450は、PD.2450のネオジム磁石バージョン。
PD.2450の重量が36kgに対して、PDN.2450は25.8kgと約10kg軽いです。
TSデータを見ていると、微妙に最低域側重視になっているようです。




このプレシジョンディバイセス社の61cmウーファーは、深く透明感のある低音です。
その深さと透明感にリアリィテイがあるという感じでしょうか。
この低音を比較的小さな箱(実効容積320L)で楽しめるというのもこのユニットのメリットだと思っています。








2019/09/08

JBL 2155H



Yahooブログが終了するとのことで、ヨハネスさんの"マンハッタンの夜"の文章と画像の保存作業をおこなっているわけだけれど、こんな記述があります。

「ホーンによるミッドバス 2005/3/26(土)

コンプレッションドライバーと、ホーンによるミッドバスの第一印象は、ずいぶんすっきりしたな~というもの。
私が一番嫌な、中低音のくぐもった感じは、まったく払拭された。
これで、自分の向かった方向が、間違っていなかったと、狂喜するわけだけど、ちょっと待てよ・・。これでは、やせっぽちすぎないか?
でもこれは、ミッド部のホーンの音になれてなかったせいだとすぐに気がつく。
音量と、エネルギー量とを慎重に聞いて、バランスをとっていく。
すると、以前より、エネルギーを持った中低音が得られることがわかってくる。
自分的に嫌な中低音じゃないので、嫌な部分を絞ったような、痩せた中低音にはならないんですね。
しっかりエネルギーを出しても、いやな感じにならない。
結果として、変に痩せた音じゃなく、エネルギー的にもピラミッド型のバランスが得やすいんですね。
自分は、細身の音が好きだと思っていたんですが、これが実は違うことがわかった。
自分は、くぐもった中低音が、極端に嫌いなだけで、決して細身の音が好きなわけじゃないようです。
ミッドバスホーンと、ウーハー部のクロスの話は次回。

余談ですが、以前、偶然知り合ったPA屋さんと話をする機会がありました。
その人曰く ホーンはでかいほうが正解。
ただ、現実問題として、設置、チューニング時に、ホーンの大きさや重さが負担になることがあるので、現在は小型の軽いホーンが主流になってしまった、らしい。
小型の軽いホーンを使って、後は、イコライジングでごまかす(?)らしい。
さらに、、昔、中高音にJBLを使った仲間では、2482+2402派と2440+2405派に大別できた、らしい。
ミッドバスとして2482を使う私には、あまり関係ないかもしれませんが、2482の音を聞いていると、非常に理解できる話なんですね。」




コンプレッションドライバーと、ホーンによるミッドバスとは、2482と2360の組み合わせのこと。
この組み合わせを300Hzからお使いになっていた。

この余談でPA屋さんのお話にイコライジングのことが出てきます。
イコライジングでごまかすというのは、正しい表現ではないかと。
そんなことしても小さなホーンが大きなホーンと同じように鳴るわけではないからです。
なんとかバランスをとる、あるいは、辻褄を合わせるという感じかな。






 

2019/09/07

JBL 2155H



イコライザの設定についてググってみると、"Eargasm Explosion"(お耳の快感大爆発)というiTunes用の設定が有名であることがわかりました。
1kHz、4kHz、16kHzと、2オクターブ毎にカットしてます。




例の縦軸を圧縮したラウドネス曲線と比べてみると、"お耳の快感"の何らかの普遍的習性?を暗示しているような気がします。
それにしても、2オクターブ毎というのも不思議ですよね。




気をとり直して2155Hで新しいイコライジングをもう一度聴いてみました。
まず、中低域の厚みが足らないです。

これは、2155Hのホーンがボイスコイル周辺を覆っているからだと思います。
JBL C222HPのアコーステックアパチャーテクノロジーの逆になっちゃってるのよね。
で、224Hzを+1dBにしてみました。

また、中高域が弱い。
1002Hzを+1dB、それから4477Hzの-0.5dBをはずしました。






おお、だいぶ良くなった。
悪くない、悪くないです。
低音はまだまだですが、全体的にはナチュラルな感じになりました。
イコライジングを楽しみつつ、スピーカーの性質をより深く理解するのも一興ですね。







 

2019/09/05

JBL 2155H



改造ALTECシステムでDEQ2496のパラメトリックイコライザをさらに調整しました。
低域は厚く、中高域はより自然な感じになりました。
グイグイくるパラメトリックイコライザの新しい設定はこんな具合です。



素子が一つ増えました。




ピアノモニターに使用しているJBL 2155HでまれにCDデータを再生することがあります。
その場合には、改造ALTECシステムのDEQ2496をつなぎ変えて音出しします。
DEQ2496には2155H用のオートEQでフラットにしたGEQデータと、2155H用のパラメトリックイコライザの設定もメモリされてます。
新しいパラメトリックイコライザの設定を2155Hで聴いてみようと試してみました。
2155H用のオートEQでフラットにしたGEQデータに、この新しいパラメトリックイコライザの設定を加え、さあ試聴。




なんだろう、この残念な音は…
低域の透明感や中高域の鮮やかさがまるで感じられない。
こりゃダメだ。
MR94と2155Hの小さなホーンの差がもろに出てしまいました。

先日、ダリのスピーカーとマランツのアンプ(だったかな?)を使用している友人に改造ALTECシステムを聴かせたところ、「これハイレゾなの?」って言われました。
そのときは妙なことを訊くなぁと「CDをリッピングして96kHzにアップサンプリングしただけだからハイレゾではないんじゃないかな。」と答えました。
後日、MR94のような大型ホーンを聴いたことがない人はそういう感想を持つのか、と気づいた次第。

同じイコライジングでもスピーカーの能力が違うと出てくる音は全然違う。
そういう意味では、改造ALTECシステムは黄色いホーンシステムに結構近いシステムなんだと、ちょっと見直しました。
2155Hには退役しているDCX2496をあてがい、すこし頑張ってもらおうかなと考えています。



 

2019/09/03

Remodeling Altec System



先日の黄色いホーンシステムから出たグイグイくる音を分析、改造ALTECシステムで再現してみました。
まず、黄色いホーンシステムのグイグイ音をDEQ2496とECM8000で測定。
次に、改造ALTECシステムをDEQ2496のオートEQとECM8000により全帯域をフラット化。
最後に、DEQ2496のパラメトリックイコライザで黄色いホーンシステムの周波数分布を再現しました。
パラメトリックイコライザの設定はこんな具合です。




パラメトリックイコライザの各素子のデータはこんな具合。




なんとなくラウドネス曲線に似てませんか?って調べてみると、こんなグラフがありました




このグラフの縦軸を圧縮するとこんな具合です。




1kHz、4kHz、10kHzのくぼみ方が似てるなぁ。
これね、2446Hの受け持ち帯域が、897Hzから4.02kHzで、偶然の一致なんだ。
コンデンサをかましたので、そのあたりのレスポンスが低下したわけだ。
同様に、DE500が8.5kHz以上、2402H-05が10.1kHz以上なので、同様のレスポンス低下が生じた。

低域側の盛り上がりは、40Hz以下の最低域と、80Hzを中心とした低域に分けて設定しているので、この辺りはドーンと出すのが好き。
ただし、80Hz辺りは部屋の特性でディップができやすく、また160Hz辺りで定在波によるピークが出やすいので、オートEQ後でも部屋のクセは残る場合が多いでしょう。
ディップはほっておいても、ピークについては臨機応変に対応しないとね。

低域特性は部屋の音響特性のほか、音量によってもずいぶん違います。
音量は中音量です。
前傾姿勢で虚空をにらむような大音量ではないです。
かと言って、蚊の鳴くような小音量でもない。
リラックスして普通に聴ける音量。

それで改造ALTECシステムの音がどうなったかというと、黄色いホーンシステムと同様、今までで一番いいような。
でも、システムの規模が黄色いホーンシステムよりも全然小さいのでミニチュアみたいな感じになってしまいました。
それはともかく、これが当面のマイブーム特性ということになると思います。
これから時間をかけて何がどうなっているのか細かく設定を探っていこう。



 

2019/08/28

Yellow Horn System



先日から黄色いホーンシステムのテコ入れをしているわけですが、問題のひとつに残留ノイズがあります。
音楽信号を流していない時に聴こえるサーという音。
アンプのボリューム位置にかかわらずノイズレベルは変わらず、また、DCX2496を切り離しても変わりません。
アースをとったりしてもダメ。
特にひどいのは2431Hからのノイズです。

2431Hの変換効率(No)は49.9%もあります。
入力された電気エネルギーのほぼ半分が熱にならず音になってしまう。
こんなに効率の高いユニットは他に知りません。
ちなみに2446Hと2451Hの変換効率は30%、2490Hが35%です。

ネットで検索してみると、
「私はPARCのフィルムコンデンサー0.47μという物と、フィリップ製の抵抗0.6W22Ωという物を並列にして11Ωにした物を直列で繋いだ物をZOBELとしてスピーカーの+-端子のところに突っ込んで使っています。」という記述を見つけました。
なるほど、これは効きそうです。
早速、セメント抵抗10W10Ω、フィルムコンデンサー0.47μF250Vを沢山購入。
試してみることにしました。

とりあえず、2431Hに手持ちのコンデンサー2.2μFと抵抗10W10Ωを"直列"に接続、アンプの+-端子の間に接続しました。
ノイズは減りません…
このときは接続を間違えていることに気づいていないわけです。
なぜかというと、インピーダンス補正回路のことだねって早合点していたからです。

間違いに気づかないまま、ならばコンデンサーのみのハイパスフィルターならどうだっ!ってコンデンサー2.2μFを直列に入れてみました。
するとノイズが完全に消えはしませんが、本当に小さくなりました。
2332ホーンに50cmぐらい耳を近づけないと聴こえないぐらいになり、リスニングポイントでは無音になりました。
これは大成功です?

2.2μFだと9000Hzぐらいなのでしょうか。
2431Hの受け持ち帯域は4.02kHzから8.5kHzなので、受け持ち帯域の上限ぐらいをカットオフ周波数にすればいいのかと勝手に結論。
高域端を担当するDE500と2402H-05にはそれぞれ0.47μFをパラって0.94μFにして試してみると、事実上残留ノイズを消すことができました。




右chのみコンデンサーをつなぎ、帯域別に音出し。
両スピーカーの中央で聴いてどの程度のレベル差があるかを耳で判断すると、コンデンサーとつないだ方はだいたい5dBから6dB程度低下していることが分かりました。

これで決まりだねって、黄色いホーンの2446Hにも1.0μFと3.0μFをパラって4.0μFにし、ついでに2431Hも0.47μFと1.5μFをパラって1.97μFにして、今度はきちんと半田付けをして作業終了。





位相チェックのあと、先ほどのレベル差の分だけレベルを上げ、DEQ2496とECM8000で測定してみます。
うーむ、各帯域ともに低域側に向かってレスポンスが低下しています。
でもまあ、こういうのはDCX2496の帯域別イコライザで補正できるので問題ありません。
とりあえず補正しないまま試聴してみました。

なんだろう、グイグイきます。
おかしいな、全然いいじゃないの、今まで一番かも…
測定結果は荒れているのに偶然というか何というか。

2402H-05のようなツィーターに小容量のコンデンサーをかますとハイが伸びるのはご存じの通りですが、そういう効果だけではないような気がします。
ならば、位相差をDCX2496のオートアラインで整えてやればもっと良くなるはずとやってみると、これがあんまり良くない。
音が練れていないというか、音の感触が微妙にざらついている。
わずかにハイを落とすようにレベル調整をしてみるものの、以前の雑なディレイ設定の状態に負ける。
これだからマルチアンプは面白い?

で、一息ついたのち、先ほどの直列と並列の間違いに気づくわけです。
おいっ、どうすんのよっ!
でも、クルレンツィスのマーラー6番を聴いているうちにどーでもよくなってしまいましたとさ。
めでたしめでたし?




新型のDCX2496(Ver.1.18A)をもう一台導入。
低域側にあてがいました。



 

2019/08/05

Behringer DCX2496



ベリンガーのDCX2496を1台購入しました。
スロットなしのVer.1.18Aです。



DCX2496は黄色いホーンシステムに3台、DIYホーンシステムに3台、改造ALTECシステムに1台の計7台を使用しています。
DIYホーンシステムには新型を2台使用しているので、7台中3台が新型になりました。
1台がオシャカになり、新型に交換された旧型の1台がモスボールになるので、今までに9台も購入してきたことになります。

最初にDCX2496を購入したのは、おそらく2005年ごろではないかと。
14年も前になります。
黄色いホーンの47話にはVer.1.15と記載してありました。

DCX2496は軍需品なので、新型に順次交代することになります。
10年以上使用している残りの旧型4台も交代してゆく予定です。

今回の新型は、黄色いホーンシステムのミッドレンジに配属しました。
中央のスロットのないDCX2496がそれです。
担当するユニットは2490H、2446H、2431Hというシステムの中核。
音出ししてみるとナチュラルな雰囲気が増したような気がしました。


 

2018/12/06

Merry Christmas



Amazonで購入したクリスマスツリー。
こういう枝だけのをブランチツリーというそうです。
ダイソーのカラーボールで飾りつけ。
微妙なところが大人のツリーということで。




年末も近いので黄色いホーンシステムの掃除をしました。
高さが2.1mあるので、小さな踏み台にのっての作業です。
掃除機で埃を取り除き雑巾で丁寧によごれを拭き取ってゆく。
最後に2392ホーンの艶出しをしておしまい。
そんなことをしながら、よくもこんなシステムを作り上げたものだと感慨ひとしお。

黄色いホーンシステムの音出しは2008年の4月12日。
今年は10年目になります。
当初は実力不明のユニット群で構成された巨大でしかも8ウェイのマルチアンプシステム、これで音がまとまるのだろうか?と疑問符だらけでしたが、苦労の甲斐あって今ではなかなかの状態に仕上がっています。

音はよく練られており、ホーンキャラクターもなく、とてもナチュラルです。
しかし、ハイもしっかり出ておりワイドレンジ、音量を下げても聴き応えがあります。
だから音量を上げる必要がなく、ごくごく普通の音量で聴いています。
もちろん音量を上げるとこれは素晴らしい音響世界が出現し、広大な音場にオーケストラが展開します。
この広大な音場に相反するように音像は小さく引き締まり、ソースを選びません…って、おいおい。

ちょっと時間があったので、左右CHをそれぞれ測定しつつマルチアンプのレベル調整を左右CH別に行ってみました。
で、これ、やっぱりダメなんです。
サブウーファー領域を除き、左右CH間でわずかでもレベルが異なると何となく音像が心もとなくなってくるのです。
これはほんとに不思議です。
イコライジングだとこんな感じがないのですが。
結局、ここはグッと我慢して元の状態に戻しました。

マルチアンプシステムは調整次第で色々な音が出てしまいますが、やっぱり妙な音は修正されてゆきます。
音が時間に磨かれるということを学んだ10年でした。




2015/11/14

JBL VTX Series V20 & S25 (6)



V20のレスポンスグラフを見てみると、低域側は業務用の10inchとしては伸びており、一方、高域端が以外に伸びていないことが分かります。
バスレフのダクトは10inchウーファーである2つの2261Hの内側にそれぞれ設けられており、分解図を見てみるとダクト長はあまり長くないように見えます。
バスレフの設計をされた方なら分かると思いますが、これらのことからV20の箱の容積が十分以上であることが伺えます。
高域端が伸びていないのは、ローパスフィルターを設定しているからでしょう。





"Beamwidth"グラフは、これは見事な水平方向の指向性を示しています。
レスポンスグラフは、デジタルプロセッシング(デジタルイコライジング)を施したあとのものなのでフラットなのは当たり前ですが、この水平方向の指向性はそうした処理は不可能です。
Spec Sheetに表示されている"Coverage Pattern (-6dB) Horizontal: 105 degrees nominal (315 Hz-16 kHz)"の通りになっています。
300Hzから低域側の水平指向性が急激に広がっていることから、LFとMFのクロスが300Hz前後であることも分かります。

この優れた水平指向性は、V20の中央に搭載されたウェーブガイド部材とRBI(Radiation Boundary Integrator)によるものでしょう。
このウェーブガイド部材は第4世代(4th generation advanced high frequency waveguide)のものなんだそうです。
改良に改良を重ねたその完成度は非常に高いものとなっているのではないでしょうか。





黄色いホーンシステムではボイスレンジをJBL2392/2490Hと2360A/2446Hに任せ、その低域側を10inchのPeavey 1008-8HEを2発用いたバスレフに受持たせています。
このため、ボイスレンジの低域側を10inchダブルに受持たせているV20には親近感があります。

2392/2490Hの守備範囲は250Hzから1kHz、2360A/2446Hは1kHzから4kHzです。
2オクターブずつということ。
2オクターブは音響的には狭い範囲ですが、音楽的には広帯域と言ってもいいかもしれません。
黄色いホーンシステムでは、この2つの大型ホーンの領域以外の各受持ち帯域は1オクターブになっています。

250Hzの1オクターブ下は125Hz、その1オクターブ下は60Hz、さらにその1オクターブ下は30Hz。
4kHzの1オクターブ上は8kHz、その1オクターブ上は16kHzになるわけです。
実際に8ウェイの帯域分割は以下のような設定になっておりますが、さまざまなクロスを試しているうちにこのような帯域分割にたどり着いたわけです。
なお、ツィーターの領域はツィーターユニットの個性に応じた変則的な帯域分割になっています。
また、111Hzとか4.02kHzなど、異常に細かな設定周波数になっていますが、これはデジタルチャンネルディバイダーのDCX2496の設定できる数値がそうなっているからです。
110Hzを希望しても111Hzになってしまうし、4kHzとしたくても4.02kHzになってしまう、とこういうわけです。


PD.2450  -50Hz
1808-8HPS  50Hz-111Hz
1008-8HE  111Hz-249Hz
2490H  249Hz-897Hz
2446H  897Hz-4.02kHz
2431H  4.02kHz-8.5kHz
DE500  8.5kHz-
2402H-05  10.1kHz-


黄色いホーンシステムの8ウェイ拡張時、Peavey 1008-8HEのバスレフ箱には随分悩みました。
ミッドベースとしてはかなり低域側になるとはいえ、それでもミッドベースであることには変わりはないわけで、そうした帯域に密閉箱ではなくバスレフを選択したことについてです。

密閉箱は十分な容積を稼がないと音が固く薄くなる傾向があります。
例えば、バスレフのダクトを封鎖して密閉箱にする場合、こうした音になりがちです。
Thiele and Small理論を適用して設計されている現代的なユニットとバスレフ箱は、そうした実験に向いていないのです。
当然のことながら、大きな密閉箱に、そうした箱と相性の悪いTSパラメータを持つユニットを入れると、低域のレスポンスがほとんど稼げていない悲惨な特性になってしまいます。

密閉かバスレフかという議論は、Thiele and Small理論が発表される以前の議論だったので、最近ではほとんど語られなくなりました。
こうした話は、もちろん昔のユニットには当てはまりますから、その世界では依然として"あり"です。
そう、これは昔のユニットとそれに適合する巨大な箱の時代を知る者にとっては楽しい話なのです。

一方、現代的なユニットはTS理論を前提に設計されているので、そうした昔の議論をそのまま当てはめても良い結果は得られないようです。
これはダクトを封鎖する実験をしたときに如実に感じました。
結局、現代的なスピーカーユニットを生かすためには、昔の議論に拘泥することなく、TS理論をよく理解した上で設計をしなければならないということです。

Peavey 1008-8HEをどうしても使いたかったのでミッドベース用でもバスレフという変な話になってしまったのですが、今ではこういうのも悪くはないのだなぁ、と思うようになりました。
なお、V20の2261HのTSパラメータは確認していませんが、箱の容積や能率(93dB)から見て、2261Hはミッドベース用のユニットではなく、ウーファー用のユニットとして設計されているように思います。




2261H



2015/05/20

GUSTAV MAHLER SYMPHONY No. 6



マーラーの交響曲、第5番のあとご無沙汰しております。
その後、6、7、8、3、10番などを聴いておりましたが、どうも6番のことをブログに書くのが億劫になってしまい、そのままになっておりました。

さあ、この6番、wikiによると
"マーラーがシュペヒトに宛てた手紙には、「僕の第6は、聴く者に謎を突きつけるだろう。この謎解きには、僕の第1から第5までを受け入れ、それを完全に消化した世代だけが挑戦できるのだ」と書いている。"のだそうです。
ということで、これはマーラー自身の謎掛けなのでしょうか?
要するに6番には何か意図があると。
そこでネットで検索をかけてみるとどうやら宗教のことを扱っているという意見が多いように思います。

宗教とクラシック音楽は切っても切れない間柄ですが、残念ながら宗教のことはよく分かりません。
分からないというより、宗教的な体験をする機会がなく無縁なのでした。
唯一、結婚式のときに、生涯あなたは妻を愛しますか等々、神父さんから質問されたことがそうした体験になるかと思います。
そのときは、神さまとそんな大層な約束をしても大丈夫なのでしょうか?と神父さんに聞き返したくなりました。
もっとも信仰心のない者が突然約束を立てたとしても相手にされていないようにも思いましたが。
アメリカにいたとき、アメリカでは離婚が多いようなのですが、結婚式のときの神さまとの約束はどうなるのでしょうか?ということを、たまに教会に行くよという人に尋ねたことがあります。
答えは、神はそれもお許しになられます、ということでした。
なるほど。

というわけで6番については、本当のところは何も分からないとは思うのですが、せっかくのマーラーさんの謎掛けなので分からないなりに考えてみました。

グスタフ・マーラーさんは1860年7月7日生まれ、1911年5月18日にお亡くなりになります。
主にオーストリアのウィーンで活躍しました。
1860年生まれですから100歳ほど年下になり、なんとなく親近感が湧きます。
100年って、区切りがいいではないですか。

6番は1904年に書き上げたそうです。
このときマーラーは44歳です。
1904年のウィーンはどんな感じだったのでしょう。
第一次世界大戦が1914年に始まったので、その10年前ということです。
wikiによると、当時、オーストリア=ハンガリー帝国では、複雑な民族問題があり、9言語を話す16の主要な民族グループ、および5つの主な宗教が混在していたそうです。
そしてサラエボ事件(1914年6月28日)が起こってしまった。

5つの宗教が混在していたことから、6番の4楽章のハンマーの打撃回数が当初5回で計画されていたことを連想します。
この5つの宗教がどの宗教なのかはwikiに表記されていないので特定できません。
一般的に宗教と言えばキリスト教、イスラム教、仏教の3つだと思います。
5大宗教ならば、さらにヒンドゥー教とユダヤ教を加えることになるのでしょう。

マーラーさんの両親はユダヤ人でした。
しかし、マーラーさんは才覚のある人なので神さまに頼らなくても大丈夫な人だったのではないかと。
とは言え、交響曲第1番の巨人は、巨漢ゴリアテだったのだろうとは思っています。
古代ユダ王国の建国の父、羊飼いの若者であるダビデが主人公というわけです。
ジャン・パウルの小説「巨人」に由来するそうですが、そうとでも言わないとまずかったのでしょう。
当時、1番は不評だったそうですが、音楽的な斬新さが原因だったというより、聴衆がユダヤ教を連想したからではなかったのかと。
マーラー自身、巨人の標題は"誤解"を生む可能性があると認めています。
そして、音楽的成功を優先させるためだったのか、2番のタイトルをキリストの"復活"にしたのもそういう影響があるのだと思っています。

ちなみに1897年、37歳のときにユダヤ教からローマカトリックに改宗しています。
この改宗はウィーン宮廷歌劇場の芸術監督になるためだったそうです。
対立するグループの一方から他方へ移るわけですから、相当困難な状況に置かれたことでしょう。
こうした場合、両グループに対する怨恨は深いものになります。

マーラーさんが、自身の信仰の対象としてキリスト教とユダヤ教をどのようにとらえていたのかは誰にも分かりません。
しかし、作曲という創作の場においては、かなり客観的に捉えていたように思えます。
創作のやり方としては、従来の考え方をベースにした創作と、従来の考え方を採用せず、他の考え方をベースにする創作の2種類があります。
マーラーの場合、キリスト教ベースの作曲を、たとえばユダヤ教ベースにするのはどうだろうかと、そんな風に考えたのではないでしょうか。
大地の歌などは、キリスト教文化でなくても他の文化でも西洋音楽の伝統に則った音楽を構築できるとする実証実験だったように思えます。
このやり方が、どんどん進んで現代音楽が生まれてゆくことになったように思えます。

6番の話に戻しましょう。
6番というとベートーヴェンの田園が有名です。
マーラーは田園が好きだったのではないでしょうか。
巨人の第4楽章と田園の第4楽章、続けて聴くと面白いです。
マーラーはこの荒れ狂うパワフルな表現を最初の大曲である巨人でやってみたかったのではなかろうか。
そして田園は標題音楽の代表格。
デリケートな宗教のことを扱うので標題を付す訳にはいかず、"謎解き"というか標題を聴衆に解読するよう求めたのではないでしょうか。
という訳でマーラーの6番は"無標題による標題音楽"に挑戦したのではないかと。


聴いてみた6番は以下の通り。
Herbert von Karajan - Berlin Philharmonic 1978
Klaus Tennstedt - London Philharmonic Orchestra 1983
Leonard Bernstein - New York Philharmonic 1967
Leonard Bernstein - Vienna Philharmonic 1988
Pierre Boulez - Vienna Philharmonic 1994
Giuseppe Sinopoli - Philharmonia Orchestra 1986
Riccardo Chailly - Amsterdam Concertgebouw Orchestra 1989
Claudio Abbado - Berlin Philharmonic 2004
Lorin Maazel - Vienna Philharmonic 1983
Saimon Rattle - City of Birmingham Orchestra 1989
Esa-Pekka Salonen - Philharmonia Orchestra 2009
Rafael Kubelik - Bavarian Radio Symphony
Georg Solti - Chicago Symphony Orchestra
Eliahu Inbal - Radio-Sinfonie-Orchester Frankfurt 1986
Zubin Mehta - Israel Philharmonic Orchestra 1995
Sir Jhon Barbirolli - New Philharmonia Orchestra 1967


ええっと、2楽章と3楽章の演奏の順番についてはアンダンテ-スケルツォの順が良いと思います。
だって、1楽章のあとがスケルツォというのはうっとうしいです。
各楽章のタイトルというか印象は以下の通り。

第1楽章は「宗教が持つ不寛容と排撃性。そうした宗教と対照的な人々の慈愛や家族愛。」を描いていると。
出だしの不寛容な雰囲気はマーラーらしからぬ近接戦闘状態であり、なんというか悪役の提示のような感じを受けます。
第2楽章は「原始というか原初の宗教の姿。羊の群れを美しい泉へ誘導する牛飼い。」
これをカウベル等で表現しているように思います。
マーラーさんは、夏期に作曲小屋(複数あり)にこもって作曲するわけですが、この作曲小屋のほとんどがオーストリアの美しい湖の近くにあります。
朝靄の立ちこめる湖から朝日が昇るのを見て、何を思ったのでしょうか。
第3楽章は「宗教関係者のおろかな姿。」
20世紀ですからすでに神は死んでおり、主不在の状態での他者否定と幼稚な自己完結、あとは利権がらみの腐敗が宗教関係者の間ですすんでいたのではないでしょうか。
第4楽章は「マーラーの夢の王国において裁かれるキリスト教とユダヤ教。」
本来裁かれるはずもない宗教であるが、4楽章の最初の部分は幻想的な王国の出現を感じさせます。
第1楽章や第3楽章で描かれるような2つの宗教のあり方に鉄槌(ハンマー)を下したのではないかと。

う~む、ちょっと無理があるか。
でもなぁ、当時のウィーンにおける反ユダヤ主義は相当苛烈だったのではなかろうかとも思います。
もっと広げて考えるなら、2つのハンマーは宗教と民族紛争の2つを意味していたのかもしれません。
あるいは、そうした紛争を引き起こす人々の心のありようを批判したものかもしれません。

レナード バーンスタインはアルマの回想に基づいて3度ハンマーを打たせる演奏をしていますが、3つ目はイスラム教のつもりだったのかもしれません。
バーンスタインさんはユダヤ系アメリカ人であり、めずらしくユダヤ系であることを隠さなかった人です。
この手の改変、相当な思い入れというか深い考えがなければやらないでしょう。
作曲家だもんね。

とまあ、ごちゃごちゃと書いてみましたがとりとめもない。
だいたい、今年は冥王星の画像が見られる、なんてことを楽しみにしている人間が宗教を扱っているとされる音楽を語るなんて無理があるもの。
しかし、黄色いホーンシステムとマーラーは相性がいいんだ。
そして、あれこれ考えなくても、マーラーは素晴らしいのです。








2013/04/15

Yellow Horn System

週末に黄色いホーンシステムの調整をしました。
2392/2490Hのクロスを200Hzから249Hzに戻し、もう少し2446Hにがんばってもらおうと。


以前の設定は以下の通り。

PD.2450 -50Hz (L-4dB R-10dB)
1808-8HPS 50Hz-121Hz (-1.5dB)
1008-8HE 109Hz-200Hz (0dB)
2490H 200Hz-897Hz (-7.4dB)
2446H 897Hz-4.02kHz (-11.3dB)
2431H 4.02kHz-8.5kHz (-11.1dB)
DE500 8.5kHz- (-9.8dB)
2402H-05 10.1kHz- (-12.5dB)

今回の設定。

PD.2450 -50Hz (L-4dB R-10dB)
1808-8HPS 50Hz-111Hz (-1.5dB)
1008-8HE 111Hz-249Hz (0dB)
2490H 249Hz-897Hz (-7.4dB)
2446H 897Hz-4.02kHz (-10.0dB)
2431H 4.02kHz-8.5kHz (-9.5dB)
DE500 8.5kHz- (-8.5dB)
2402H-05 10.1kHz- (-10.0dB)


2446Hを1.3dBブースト。
う~む、冬が終わる?
ならばと2431H、DE500をどんどんブーストしてゆく。
結局、2431Hは1.6dB、DE500は1.3dBのブースト。
2402H-05も掟破りの2.5dBブースト。
この2402H-05のブーストは、山葵を利かせすぎた感じだ。
最後にウーファー(1808-8HPS)とミッドベース(1008-8HE)のクロスを111Hzに統一。

で、どうなったかというと鮮やかな新緑の音。
15インチウーファーを加えた9ウェイ化の実験はしないですみそうだ。






2012/11/20

Yellow Horn System

2011年の6月から使用してきたDEQ2496を取り外しました。
AUTO EQによる自動補正をやめたのです。
しかし自動補正によるフラットな音は参考になりました。
これからも時々聴いてみようと思います。
自分の音ではない音が自分のシステムから出るというのは貴重な体験。

今回試したのは2392/2490Hのクロスを200Hzにしてみたこと。
いつもは250Hzなのです。
これを218Hzにしたらなかなかいける。
さらに200Hzまで落としてみた。
それから帯域別EQで200Hzのブーストを試す。
測定はこうした試行が落ち着いてからです。

マルチアンプの調整はそのときの心理状態を反映します。
守りにはいるとつまらない音にしかならない。
攻めに転じるといきなり生気に満ちた音になることがある。
だから測定を先行させるとダメ。
測定結果が音を萎縮させてしまうのです。

2392/2490Hのクロスをどうするかで音がかなり変わります。
例えば2392/2490Hを250Hz、Peavey1008-8HE(10インチダブル)を300Hzにして重ねる。
重ねるというよりは1008-8HEで2490Hを迎えにいくという感覚。
甘くナチュラルな音になります。
この設定、8ウェイマルチの「調和」を意識していた頃の話。
今はそうした意識からかなり自由になったような気がします。
 落ち着いてじっくり調整すればちゃんとまとまることが分かったから。



設定はこんなかんじ。
それぞれの値に理由があり、だから結構シンプルな設定だと思ってます。
デジタルはメモに残しておけるのが楽しいね。

PD.2450 -50Hz (L-4dB R-10dB)  EQ OFF DELAY 1.02ms
1808-8HPS 50Hz-121Hz (-1.5dB)  EQ OFF DELAY 1.02ms
1008-8HE 109Hz-200Hz (0dB) EQ OFF DELAY 1.02ms
2490H 200Hz-897Hz (-7.4dB) EQ1 634Hz(-1.5dB/Q3.5) EQ2 200Hz(+5dB/Q2.5) DELAY 0ms
2446H 897Hz-4.02kHz (-11.3dB) EQ1 1.74kHz(-1dB/Q3.2) EQ2 2.79Hz(-3dB/Q6.3) DELAY 0ms
2431H 4.02kHz-8.5kHz (-11.1dB) EQ OFF DELAY 2.04ms
DE500 8.5kHz- (-9.8dB) EQ OFF DELAY 1.89ms
2402-05 10.1kHz- (-12.5dB) EQ OFF DELAY 1.89ms

EP1500 LEVEL18
PS3001 -18dB
  
スロープ特性はすべてL-R48。
2446HのEQ2 2.79Hz(-3dB/Q6.3)と、PD.2450の左右のレベル差は部屋のクセの補正。
2446HのEQ2を見つけるまでは全然音がまとまらなかったという思い出があります。