2011/09/29

JBL MD49 and MD46

MD49はJBL社のMarquis Dance Club Seriesのフルレンジシステムです。
サイズはH1524mmxW561mmxD657mmという大型スピーカー。
90°x50°のウェーブガイドホーン部は90°回転配置可能であり、横置きもできます。







クロスオーバーユニットが付属していないマルチアンプ用の4wayシステムであり、ユニット構成は以下の通りです。

Low 2265H 15inch woofers x2
Mid CMCD-82H mid-frequency driver
High 2432H compression driver
Super High ST400 super tweeters x2

2432Hは最近のJBLシステムに多く使用されている3インチ径チタンダイアフラムのコンプレッションドライバー。
CMCD-82Hは2169Hに製品番号338471-001というフェージングプラグを組合わせたもの。
ちなみにCMCD-81Hも2169Hに338471-001を組合わせており、82Hと81Hの差がなんであるのか理解していません。
CMCD-82HについてはAEシリーズのAM7200/95の、また81HについてはSRX738のテクニカルマニュアルをご参照ください。




想定されているクロスオーバー周波数は、270Hz、2.7kHz、10kHz。
フェーズプラグを備えているCMCDは2kHz以上のクロスを想定しているようです。
同じ2169Hを使用しても、フェーズプラグなしのダブルのMD2のような構成では1kHz程度になっています。

Highを受持つホーンが小さいと高域側をがんばらないといけないですし、
ダブルにすると許容入力は大きくなるものの、高域側が干渉により伸びないという事情もあるのでしょう。





下の画像のシステムはMD46です。
MD49の姉妹機であり、ウェーブガイドホーン部は60°x40°の指向性を持ちます。
ホーン部を見比べると異なる形状を確認できます。

90°の指向性を持つホーンと60°のホーンを比較した場合、受持ちエリアに均一の音圧を提供できるかという点からは90°ホーンの方が設計が難しいです。
また、JBLがこの帯域でコーン型を採用しているのは許容入力の確保という意味もあるとは思いますが、ダイレクトラジエターのコーン型ウーファーとの音質の整合性という点もあると思います。
Midホーンの低域側は軸上のレスポンスが徐々に低下しているような特性のホーンの方がこの目的には沿う。
そういうことを考えていると90°ホーンに興味をもってしまいます。









2011/09/20

JBL Marquis Dance Club Series

2011年9月11日、新しいマーキス(マークゥィス)シリーズが発表されました。
機種は以下の通り。

MD1 ultrahigh-frequency module (2 x JBL Selenium ST400 super tweeters)

MD2 horn-loaded 8-inch mid-high-frequency module (2 x 2169H Differential Drive® mid-frequency transducers and one 2453H-SL compression driver, 90-degree horizontal coverage and up 20-degree and down 30-degree vertical coverage

MD3 horn-loaded low-frequency module (2 x 2265H Differential Drive lowfrequency transducers)

MD46 4-way quad-amplified full-range system (2 x 2265H 15-inch woofers, CMCD- 82H mid-frequency driver, 2432H compression driver and two ST400 super tweeters; 60 x 40-degree coverage pattern)

MD49 4-way quad-amplified full-range system (2 x 2265H 15-inch woofers, CMCD- 82H mid-frequency driver, 2432H compression driver and two ST400 super tweeters; 90 x 50-degree coverage pattern)

MD52 2-way full-range system (12-inch 262H Differential Drive woofer, 2408H-1 compression driver operating into a 90 x 50-degree Progressive Transition™ horn)

MD55 2-way full-range system (15-inch 265H Differential Drive woofer, 2408H-1 compression driver operating into a 90 x 50-degree Progressive Transition horn)

MD7 subwoofer (2 x 18-inch 2269H Differential Drive subwoofers with four- inch, dual-voice-coil, dual-gap Vented Gap Cooling drivers)






上の画像のシステムは、ツィーター部のMD1、ミッド及びハイ部のMD2、ホーンローディドウーハー部のMD3(2台)、サブウーファー部のMD7(2台)を組合わせたものです。
巨大な5ウェイ。
想定されているクロスは80Hz、300Hz、1.2kHz、8kHz。






ツィーター部のMD1はJBL Selenium ST400を2つ用いたもの。
許容入力が200Wもあります。
ST400の解説はこちらを。
セレニウム社とJBL社の関係はこちらを。

オーディオマニアもブランド名に惑わされるうちはまだまだ半人前。
オーディオ雑誌の読みすぎで聴いて判断することを放棄しているのが多すぎる。
例えば、デジチャンの場合、同じ機能なのに何故ベリがダメで高価なdbxがいいんだい?とのたもうた米国のPAレンタル屋の親爺。
さらっとこういうことが言えないとこの先は難しい。







ミッド及びハイ部はMD2
おぼえてるかな?Dance5と似たような構成です。
ミッド部のユニットは2169H、フェイズプラグなしでのダブルドライバー。

ハイ部は2453H-SLという新型コンプレッションドライバー。
1.5インチ径スナウトレススロート部、4インチ径ダイアフラム。
ただし、この2453H-SLのダイアフラムに関しては、ダンプド チタニウム ダイアフラム(damped titanium diaphragm)とか、ダンプド ラミネート ダイアフラム(damped laminate diaphragm)と説明されている。
樹脂フィルムをチタンダイアフラムにラミネートしたものではないだろうか。








MD3はディファレンシャルドライブの15インチコーン型ユニット、2265Hを2発備えています。
"horn-loaded"と記載されているだけなので、どのようなホーン形式なのか現在のところ不明。
なお、箱のサイズは1143x599.8x762.5mm、重さは76.2kg。

2265Hの画像を探してみたらここに掲載されていました。








サブウーファー部のMD7は2269Hをダブルで搭載。
最初、上の画像を見たときにはV字型バッフルだと思ったのですが、下の画像を見ると、2つの2269Hは平行面に向かい合わせに配置されているようです。
EV社のManifold Technologyと同じ考え方ですね。
パンフレットによるとこの構造は低歪率を目的にしたものだそうです。

2269Hについてはこちらを。