2010/06/24

Suntory Hall Organ Promenade Concert

お昼のオルガンコンサートに行ってきました。
1階最前列中央で聴きました。






オルガン奏者:小島弥寧子さん
ヴァレンテ(c.1520~c.1581):5つの変奏によるロマネスカ
グリニ(1672~1703): 讃歌『来たれ、創り主なる精霊よ(ヴェニ・クレアトール)』から
「テノール声部の定旋律による5声のプラン・ジュ」「5声のフーガ」「グラン・ジュの対話」
近藤岳(1973~): 薄紅の刻(うすくれないのとき)〔2010年本願寺築地別院委嘱作品〕
ラングレ(1907~91): 『グレゴリオ聖歌による3つのパラフレーズ』op. 5 から
第3番 感謝の祈りの讃歌「テ・デウム」








MR94Aのホーンスタンドは苦労しました。
ノーマルのスロートとY字型スロートの両方に対応するように作ったから。
ノーマルスロートには2451Hを装着。
でも、これはお遊び。
将来的にはBMSの同軸ドライバーである4594NDを使いたいなぁ。

Y字型スロートは、2451Hと1インチスロートのドライバーの組み合わせ。
JBL MTA-1 (1インチ/1.5インチアダプタ)を片側に使用。
1インチスロートのドライバーは、2407H、2408H、RX22を使います。
これもお遊び。
DCX2496で精密に制御しても、おそらくうまくいかないだろう。

昨夜、4つのスロートとホーンスタンドの塗装完了。
やれやれと思ってここを見たら「色、塗りまくり」なんて書いてあった。
う~む。







「1.4インチスロート径のホーンに1.5インチスロート径のドライバーを取り付ける、そんなことしたことある?」
というランシングヘリテッジのフォーラムの書き込みを見つけた。
でも、やりました!というレスはつかなかった。

しかし、こんなデータもネット上にはある。

B&C Speakers DE700 + ME90
B&C Speakers DE1000 + ME90

B&CのME90は1.4インチスロート径のホーン。
DE700と1000は1.5インチスロート径のドライバー。

比較データとしては、
BMS 4555 + ME90
BMS 4554 + ME90

4555は1.5インチスロート径のドライバー。
4554は4555と同様の構成を有する1.4インチスロート径のドライバー。

他にもデータがあるが、残念ながら?影響を指摘することはできない。
当たり前か。

定指向性ホーンの場合には、スロート口に段部が形成されたり、スロート面積が狭くなっているものがある。
JBL2360と2360Bのスロート口は円形。
JBL2360Aには左右両側が狭まった小判型のものがある。
MR94は上下が狭まった小判型
スロート口の奥はさらに急激に狭くなっている。
机上の計算式ではなく実際の測定によって形状が決定されているからだ。

という訳で遠慮はいらない。
直付けでやってみることにした、というよりY字型スロートの購入時にはすでにそれを決めていました。











ALTECのホーン/ドライバーのスロートの口径は1.4インチ。
最近のJBLのは1.5インチ。
どうして?は、こちらを










6/25 音だし。
うわぁ、困ったな、これ…







ごめん、縦置きなんだ。 




JBL 2408H / SELENIUM HM17-25
JBL 2451H / ALTEC MR94A
PEAVEY 1508-8ALCP PRORIDER
PEAVEY 1808-8HPS LOWRIDER






上の画像は2451Hとノーマルスロートの組み合わせ。
逆下駄状のアタッチメントの交換と、支柱位置の移動によりY字型スロートにも対応。







アダプタにはRX22。
それから、Y字型用の逆下駄状のアタッチメント。

ALTECの灰色には様々な濃さの灰色ペンキが使われている。
ペンキの濃度を管理していないというか、大雑把なんだよね。
さらに、このY字型スロートのスロート径は約38mmもある。
約38mmの「約」というのは、その直径の寸法にばらつきがあるのです。
1.4インチは35.6mm、1.5インチは38.1mmだから、もはや1.4インチスロート径とは呼べないです。














黄色いホーンシステム








白色ホーンシステム






となると、2色ホーンシステムあらためバナナ色ホーンシステムということになるのだろうか?



2010/06/21

Suntory Hall The 527th Popular Series

読売日本交響楽団の第527回名曲シリーズのコンサートに行ってきました。











今夜の曲目は盛り沢山。
モーツァルト/歌劇〈フィガロの結婚〉序曲
ドヴォルザーク/スラブ舞曲集 第2集から第2番、第1集から第3番
ブラームス/ハンガリー舞曲第5番
J.シュトラウスⅡ/皇帝円舞曲
ヴァインベルガー/歌劇〈バグパイプ吹きシュヴァンダ〉から“ポルカ”と“フーガ”
ビゼー/歌劇〈カルメン〉から4つの前奏曲
ボッケリーニ(ベリオ編曲)/マドリードの夜の帰営ラッパ(ボッケリーニの4つのオリジナル版による)
ファリャ/歌劇〈はかない人生〉間奏曲と舞曲第1番
グラナドス/歌劇〈ゴエスカス〉間奏曲
ヒメネス/サルスエラ〈ルイス・アロンソの結婚〉間奏曲
という訳です。
指揮はラファエル・フリューベック・デ・ブルゴスさん。

抑揚に富む力強い演奏でした。
大満足。
特に皇帝円舞曲はタメが効いていて大変見事でした。
この演奏のCDがほしいぐらいです。

"歌劇〈バグパイプ吹きシュヴァンダ〉からポルカとフーガ"では、パイプオルガンの演奏台の前にバンダ(トランペット4名)が登場。
P席ですから至近距離で楽しめました。
また、今回はトライアングルの出番が多く、その音色がとても美しかったです。
非常に印象的。
カスタネット、タンブリンもスペイン風で面白かったです。
ハープが2台、さらにチェレスタもあって豪華な演奏会でした。




2010/06/17

JBL 5732 & 5742 (3)

5732と5742のレスポンスグラフは見事です。
デジタルチャンネルディバイダーとマルチアンプシステムによりこうした特性が確保されています。

5742の低域特性は18インチダブルなのでそれほど驚くべきものではないですが、15インチダブル(2226H×2)の5732の低域特性は素晴らしい。
この5732のウーファー部は5739という新しいシステムです。

5732
Frequency Range (-10 dB): 30 Hz – 20 kHz
Frequency Response (±3 dB): 40 Hz – 19 kHz
Sensitivity: 115 dB, 2.83V @ 1m (3.3 ft)
Rated Maxium SPL: 128 dB SPL continuous @ 1m, 134 dB Peak

5742
Frequency Range (-10 dB): 25 Hz - 20 kHz
Frequency Response (±3 dB): 30 Hz - 19 kHz
Sensitivity: 115 dB, 2.83V @ 1m (3.3 ft)
Maxium SPL: 136 dB SPL continuous @ 1m, 142 dB Peak
ピークで142dBというのは本当に凄い!







2226H×2のウーファー部としては4648Aがあります。
4675C-8(4)LFに使用されている他、下の画像の5672にも使用されています。








下のレスポンスグラフは5672のもの。
低域特性は4648Aの特性となる訳ですが、5739という新しいウーファー部に比べるとかなり見劣りします。
箱のサイズは4648Aが991mm×648mm×451mm。
5739が883mm×762mm×450mm。
容積は5739の方がわずかに大きいのですが、その差でこれほど低域特性が異なるとは考えにくいです。
5739のダクトチューニングはデジタルチャンネルディバイダーでの補正を考慮して設計されているのかもしれません。







4つ眼の5674はどうなのでしょう。
この2226Hを4発使用しているウーファー部は5644。









下のレスポンスグラフが5674のもの。
低音の迫力はあると思うのですが、最低域の特性はいまひとつです。
ダクト、デカすぎでしょう…
う~む。






ちなみに5672や5674のホーン部の5674-M/HF約3140ドル。
また、4675C-HFA1200ドル程度
2360Bのみなら約580ドル
なお、5672は4400ドル、5674は5300ドル
5674の国内価格は1本150万円以上だと思います。








名器揃いのJBLのシネマシステム、そのホーン部のみを購入し、ウーファー部を自作したり、ツィーターを加えたりと遊べます。
また、ウーファー部をのぞくホーン部のみならあまり重くないので送料はそんなにかからないように思います。
2192を輸入したときの送料は2本で11万円ぐらいでした。
USA-GETのようなヤマト便を使用する個人輸入代行業者であれば送料が安いです。






2010/06/07

JBL 5732 & 5742 (2)

5732-M/HFのお値段は約1600ドル
5742-M/HFのお値段が約2200ドル

どっちにしよう?
値段的にはそう変わらない。
2発は250Hz、4発は220Hzまで。
この差をどう考えるか。
うむむむむ



5732、現代のA5。








5732-M/HFは、Dance 5を連想させます。
Dance 5は、2452Hではなく2451H。
おそらく、ホーン部も再設計されているような気がします。






2169Hを見ていると、2250Hを思い出します。
2250Hはバスケットを覆うようなカバーを取り付けるようになっているのに、2169Hはバスケットとカバーが一体になっている。
何れも3インチ径ダブルボイスコイルの史上最強の20cmですが、性格はかなり異なるように思います。











5732-M/HFのサイズは、1054x762x450mm。
A5やA7の箱である828が1067x762x610mmですから2発と言えども結構大きいです。

5742-M/HFのサイズは、1544x762x450mm。
巨大なのに奥行きが浅いのがいい。
そして2169Hが4発。
2発ずつの独立制御がおマニア心をくすぐります。
うむむむむ









220Hzクロスにより、18インチダブルとのクロスが可能。
SRX738のように18インチをウーファーに使用。
SRX738は、2169HにフェイズプラグがついたCMCD
2431Hは素晴らしいし、やはり名器だ。
4348が生産中止となったが、このSRX738があるのでまったく問題がない。







5742の横置き。
幅は約150cm、奥行きは約60cm。
見た目のまとまりがあって、なかなかカッコいいです。
サブウーファーを足す必要もない。
ツィーターを加えるだけ。
これで4000ドル以下。
自作が馬鹿馬鹿しくなります。









黄色いホーンシステムの10インチと18インチのバスレフ箱のダクトを塞ぐための板。
10mm厚と5mm厚のアクリル板の間に黄色い画用紙を挟み込んであります。
四隅のスコッチテープは、箱にネジ止めした後にはがします。
ダクト内部にはクッション用の60mm厚のスポンジを詰め込みました。






黄色いホーンシステムは、50Hz以下が24インチ、50Hzから111Hzが18インチ、111Hzから296Hzが10インチという帯域分割になっています。
WinISDによると10インチ密閉の111Hzと296Hzのレスポンス差は4dB~5dB。
18インチ密閉の50Hzと111Hzのレスポンス差は3dB~4dB。
緑がバスレフ、黄色が密閉です。

DCX2496の帯域別のEQを使用して補正。
高BL値のスピーカーユニットについてのキール氏の論文の中の猛烈なレスポンスグラフが印象に残っていたのでEQ補正を試してみました。

10インチの場合、80Hz、+3dB~+5dB、Q1.0~2.0などで低域側の補正カーブを作成。
さらに、330Hz、-0.5dB~-1.5dB、Q0.8~1.3などの高域側の補正カーブを組み合わせる。
この2つのEQの設定値は、SH-D1000のEQCDのソフトでシミュレーションしました。
18インチも同様の考え方で低域側と高域側の2つのEQを組み合わせた。

理論的には低域側をブーストする補正カーブだけで十分なはずですが、これだけだとコントロールが難しい。
低域側のブーストにより高域側のレスポンスもやや上昇してしまうから。
この場合、その帯域全体のレベルをカットすると、今度は低域側のブースト量までもカットされてしまう。
そこで高域側をカットする補正カーブを組み合わせると、低域側と高域側を独立して制御できるようになり、非常にコントローラブルになりました。

この2つのEQによるコントロールは理屈としては当たり前です。
しかし、実際に低音や中低音の姿を思ったとおりに変更できるのはかなりショッキングな出来事でした。
密閉化によって質感は向上したものの細くなってしまった低音が生気を取り戻し見違えるようにパワフルに鳴りだすと、にわかには信じがたい気持ちになりました。
これを他の手段で実現しようとするならばスピーカーユニットや箱の交換が必要になると思います。

密閉化に伴って低域側の失われたレスポンスを取り戻すことができ、さらに、その量感を精密に制御できるようになりました。
ダクトからの音が消え低音のあいまいさがなくなったためにEQの利き具合の判断がしやすい。
また、10インチの高域側のみをコントロールできるため、低域側の量感と切り離して中域との整合を容易に図れます。

密閉箱の特性がどの程度おだやかならば(フラットならば)、この方法が有効になるのかは分かりません。
ちなみに、10インチの密閉箱としてのQ値は約0.48、18インチのは約0.55です。
いずれも標準箱(Q値0.7)に比べると2倍から3倍の容積。
低域側のレスポンス低下が少ない大型の密閉箱ほど有利になることは確かだと思います。